占い師のあたらない占いシリーズ012 ~ 難しい通信のことばと表現①
ひろとものみなさまこんにちは。
以前にみなさまへのご挨拶にもお話されていただきましたが、私、占い師は「お客さまにお伝えする」お仕事を担当させていただいております。
そんな私が、いつも頭を悩ませているのは「ことばや文章のえらびかた」です。
ある事柄をお客さまにお知らせする必要が生じた場合、その事柄をお伝えするのにふさわしい(適切な)ことばや文章というのは、なかなかどうして難しいものでございまして、今週もそんなことばと文章に格闘する日々を送っておりました。
そこで、こちらのコーナーのなかでも不定期に、「こんな考えでことばや文章をえらんでいます」という点や、「こういう意図でこのことばや文章をえらびました」ということを紹介できればと思います。
まず、お客さまにお伝えするにあたって、もっとも大切なことだと考えているのは「お客さまがご存じのことばをつかう」ことです。
当たり前のようなのですが、専門用語が乱立する通信では忘れがちな視点であり、たとえば「MNP」と言っても、そんなに何度も通信会社を乗換えていらっしゃらないふつうのお客さまであれば、一生に数回しか聞かないことばだと思います(私自身、イオンモバイルのお仕事をするまでは「MNP」ということばは知りませんでした)。
そこで私たちは「お乗換え」ということばを採用しているのですが、やはり経験の少ないかたからすれば、電車やバスであるまいし、そもそも通信会社を「乗換える」というのはどういうことなのか、さっぱりわからないというかたも多いと思うのです。
一方で、通信サービスというのは「契約ごと」ですので、なるべく曖昧なことばを避け、正確に、かつ明確な用語をつかって、どなたが読まれても(少なくともことばとしては)議論の余地がないことも重要です。「MNP」の場合、「お乗換え」というのは私たちが勝手に言い換えただけですので、たとえば「お乗換え(MNP)」などと専門用語をカッコ書きなどで補足するようにしています。
さらには、MNPの難しいところは、「他社からイオンモバイルに乗換えられる」場合と、「イオンモバイルから他社にお乗換えされる」場合があります(なんともややこしく、社内の会話ですら気づいたらお互いに逆の流れの話をしていた、ということがあります)ので、これらも混乱しないように記載する必要があります。
これらを正確に記載すると、他社からイオンモバイルにお乗換えの場合は、「転入元事業者」「MNP転入」という専門用語となり、イオンモバイルから他社にお乗換えの場合は、「転出先事業者」「MNP転出」という専門用語になるのですが、『出』と『入』の一文字しか違いがなく、また「漢字の連続+英字」という伝わらないことばの典型例のようになります。
こうした結果、「MNPを利用して他社からお乗換えの場合」や「MNPを利用して他社にお乗換えの場合」といった、知っているかたからすればまわりくどい、知らないかたからすればなんとも呪文のような文章表現が誕生してしまうわけです。
しかしながら、文章が長すぎればそれだけ重要な内容が伝わりづらくなってしまいますので、本来であれば簡潔明瞭に記載されていることがお客さまにとってもっとも望ましいはずです。ゆえに、このあたりのバランスをどのようにとっていくか、毎回苦心しております。
ですので、なるべくはじめにもっとも重要な「結論」を明記したうえで、それ以降は不必要にまわりくどく、呪文のような文章を繰り返す必要がないよう、順を追ってご理解いただけるように表現やご説明の順番を工夫させていただいているつもりです(あくまで、つもりであって、まだまだ納得できる域には達しておらず、いつもわかりづらくて申し訳ないなと反省しております)。
そのほかにも注意すべきことはまだまだあり、とくに注意を必要とするのが、「正しい日本語表現」と「ほかのことばや表現との誤認や齟齬が生じないこと」です。このあたりはお話が尽きませんので、また今後の機会にご紹介できればと思っています。
みなさまも、「なんでこんな表現になっているんだろう?」と、お考えいただきながら読んでみていただけますと、ちょっと変わった視点でイオンモバイルのサービスをおたのしみいただけるかもしれません。